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日高 昭秀; 梶本 光廣*; 早田 邦久; 村松 健; 坂本 亨*
ANS Proc. of the 1992 National Heat Transfer Conf., p.408 - 416, 1993/00
シビアアクシデントに関する解析モデルのうち、その不確かさがソースターム評価に大きな影響を及ぼす現象の解析モデルを同定するため、原研が開発したTHALES-2及び米国NRCが開発したSTCP,MELCORを用いて、BWRシビアアクシデント時のソースタームについて比較研究を行った。対象とした事故シーケンスはECCSの不作動を伴う小破断LOCAである。本研究では、主要事象の発生時刻及びソースタームに関して比較し、解析モデルの違い及びその違いがソースタームに及ぼす影響について検討を行った。その結果、炉心溶融進展モデルの差が事故進展に大きな影響を与え、沈着したCsIの再蒸発現象をモデル化しているか否かがソースタームに大きく影響することが明らかになった。ソースタームに影響を与える解析モデルとして、燃料棒の溶融進展モデル、炉心支持板損壊及び全炉心崩壊モデル、再蒸発モデル、溶融物中のクラスト形成モデルが同定された。
近藤 昌也; 熊丸 博滋; 渡辺 正; 安濃田 良成; 久木田 豊
ANS Proc. 1991 National Heat Transfer Conf., Vol. 5, p.225 - 232, 1991/00
TPTFを用いて、加圧水型原子炉の炉心を模擬した集合体におけるボイド率を測定し、評価した。実験はTPTFをボイルオフ状態にして行い、定常状態になったところで測定を行った。この実験は3~12MPaの範囲で行われ、既存のこの種の実験より高い圧力の状態をも含んでいることに特色がある。実験の結果、TPTFのボイド率は、ORNLのTHTFを用いて圧力8MPaで測定されたボイド率に比べ、やや大きめの値をとる傾向が見られた。さらに、関連のあるボイド率相関式並びにドリフトフラックスモデルの計算値と実験値との比較・検討を行い、高圧の状態におけるそれぞれの相関式を評価した。加えて、線密度計から算出したボイド率が、差圧計から算出したボイド率より大幅に大きいという現象が観察されたので、それについても評価を行った。
中村 秀夫; 村田 秀男; 伊藤 秀雄; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 久木田 豊
ANS Proc. 1991 National Heat Transfer Conf., Vol. 5, p.175 - 180, 1991/00
高温高圧条件下での蒸気/水二相流の可視観察は、多くの工業、特に相変化や相分離/混合が複雑に関与した現象を扱う分野で大変必要とされている。従来、空冷を施した大型のビデオプローブが使用されてきたが、プローブの冷却とプローブ自身の流路閉鎖性により、測定対象の二相流に乱れを与える場合があった。原研では、プローブが流れに与える影響を低減する為、照明、観察共に石英系光ファイバーを用い、加圧水型原子炉の運転条件(~16MPa,~325C)下でも無冷却で使用可能な小型ビデオプローブを開発した。ここでは、本プローブを、ROSA-IV/LSTF実験装置で使用/改良した経験をまとめた。特に、高温蒸気/水雰囲気中でのサファイア光学窓の腐食、高温条件下での光ファイバーと金属製保護管との延び差吸収の為のスライド機構、鮮明な画像を得る為の照明等の問題点をまとめ、あわせて実験で得られた二相流の観察例を紹介する。
中村 秀夫; 安濃田 良成; 久木田 豊
ANS Proc. 1991 National Heat Transfer Conf., Vol. 5, p.269 - 276, 1991/00
ROSA-IV/TPTF装置を用いて、内径180mmまでの大きさの水平管で、圧力3~12MPaでの蒸気/水二相流実験を実施してきた。これまでの実験から、分離流(層状、波状)との間歇流(スラグ、プラグ)間の流動様式遷移条件は、圧力、配管内径などに依存することがわかっている。特に8.9MPaより高い圧力では、スラグ流は観察されていない。ここでは、流動様式遷移条件の配管内径依存性及び、流体密度信号の統計的解析に基づく確率密度関数及びモーメントと流動様式との相関関係について調べた。その結果、流動様式遷移条件の配管内径依存性は、無次元見掛け液流速で良く表現されること、更に、流体密度の統計的解析は、流動様式の判別に有効であることがわかった。
M.Z.Hasan*; 功刀 資彰
Heat Transfer-Minneapolis,1991 (AIChE Symp. Ser. No. 283), p.67 - 73, 1991/00
核融合炉第1壁及びリミター/ダイバータ板内の冷却流路内の完全発達した層流液体金属流れの温度助走区間及び完全発達時の対流伝熱を3次元非定常熱流体コードCONDIFを用いて数値解析した。冷却材流路壁は絶縁としている。プラズマからの直接熱放射を受ける円形冷却材流路は表面で周方向に熱流束分布を有すると同時に、外部磁場の存在によって電気伝導性を有する冷却材流れはMHD効果を受けることになる。著者らはこれまでに印加熱流束(熱放射)の方向と磁力線の方向が平行の場合について研究してきたが、本報告では主として、熱流束の方向と磁力線の方向が異なる場合について取り扱っている。熱流束の周方向非一様性とMHD効果による熱伝達特性の変化は、両者が平行な場合最も強く現れ、直交する場合最も弱くなる。これらの影響を考慮した場合、如何なる設計検討の余地があるかを逆ピンチ炉(TITAN)を例に考察した。
渡辺 正; 久木田 豊
Numerical Modelling of Basic Heat Transfer Phenomena in Nuclear Systems, p.25 - 30, 1991/00
2次元移動メッシュ系を採用した再冠水モデルの数値解法上の特性について検討を行った。このメッシュ系では熱伝導方程式中に対流項が現れ、差分形式によっては不安定な解を得る場合がある。そこで、中心、及び風上差分と陰、及び陽解法の組み合わせに対して線型安定性解析を行った。その結果、陰解法が無条件安定となり、風上差分を行うと最も安定なスキームとなることが示された。応用例として典型的な再冠水計算を行い、温度分布に現れる不安定性が、線型安定性解析によって説明されることを確認した。また、陰解法により解が得られる場合でも、より安定な解法を用いた法が収束性が良く、CPU時間を節約できることが示された。
与能本 泰介; 久木田 豊
Numerical Modelling of Basic Heat Transfer Phenomena in Nuclear Systems, p.75 - 82, 1991/00
ROSA-IV計画における大型試験装置LSTFを用いて、蒸気発生器二次側水位をパラメーターとした1次系内の二相自然循環現象に関する実験を行なった。LSTFは、Westinghouse型加圧水型原子炉の体積比1/48の模擬装置である。実験結果は、(1)蒸気発生器細管内の流動挙動が、二次側水位の低下に強く影響を受ける事、及び(2)定格の5%に相当する炉心出力が、二次側水位が管板より0.9m以上ある場合には、定常的に除熱されうる事、を示した。RELAP5/MOD2コードにより本実験を解析したところ、蒸気発生器における伝熱量は十分な精度で計算された。しかし細管内のボイド率や流動挙動は、良く計算されず、このため1次系ループ内の自然循環の駆動力のひとつである細管出入口間の差圧を大巾に過大評価した。